片隅の日記

個人用の日記

未練

わたしは最後までやりきれなかったことを後悔していたし、ずっと同級生を恨み妬んできた。

ずっとずっとやり場のない気持ちを抱えて何年も悩んだ末に楽器を未練なく辞めた。

これでいいて思っていたし仕方ないと思っていた。

 

母校の演奏を聴くのも九州大会の私の演奏が入った音源だけ。

全国大会はネット上にゴロゴロ転がってるけど3年生の時は出てないから聴かないし興味ない。

卒業した後もOBでも何にも関わってないから全く興味がないし聴かない。

 

そんな風にずっと過ごしてきた。

 

今日暇だったから私の一つ下の代が3年生の時のコンクールの演奏を聴いた。

初めて聴いたかもしれない。

とても素晴らしい演奏だった。

動画だったので覚えている顔が何人もいて、中には初心者の子もメンバーになっていた。

 

話は少し変わりますが、私の代は1年生でメンバーに入るような実力のあるメンバーが多い代だった。

かなり稀である。

確かな実力もあり、Tシャツを学年で作るぐらいだから団結力もあるように見えた。

しかし、実際はあまり仲は悪く、実力をちゃんと持った者もいれば傲慢に出たり、実力もないのに最上級生だからと勘違いして調子に乗る者もいた。

 

わたしはどれにも当てはまらず自然淘汰された。

当然誰も庇ってくれなかった。仕方ない。

みんな自分たちが一番、自分が一番だと思いたい者ばかりの代になってしまった。

 

話を戻そう。

実力のある私達の代()から見たら、後輩のことは見下していただろう。

しかし、演奏は上手かった。とても。

曲の難度もグレードは一緒だが、後輩達の曲の方がはっきり言って難しい。

 

このとき抱いた気持ちがなんなのかずっとわからないでいたが、ようやくわかった気がする。

 

私は私の代に捨てられて、上手くやっていた後輩達を羨ましく思っていたのではなく、この子達の先輩でいられたことを誇りに思っていたのだと分かった。

 

中学で続けていた楽器を編成上変わってしまった子、初心者で入部したけど辞めたいと相談してきた子、いろんな子がいたがメンバーになっていた。

その姿を見て誇らしく思った。

私はこの子達の先輩になれてよかった。

 

留守番隊長をしてみんなでパレードしたり、壮行会DVD作ったりして、他の上級生よりずっと近くで後輩達を見ていた。

部長選挙で私に一番票を入れてくれた学年である。

そのときから私は後輩達を同級生よりずっとずっと大事に思ってたんだとやっと気づいた。

 

そんな後輩達の演奏は自分たちのものよりとてもとても素晴らしかった。

隣の芝は青く見えるのは置いておいて純粋に素晴らしいもの。

 

私は名前も姿も演奏も消えてしまった存在だけど、私が何か影響を残せたものとして後輩達の演奏そのもの全てを掲げよう。

彼女たちを作り上げたのは私だと胸を張れる。

演奏を褒められていると私も褒められた気になる。

前は羨ましくて仕方なくて憎いとまで感じていたけどもうそれはない。

 

私はあなた達の先輩になれてよかった。